2014-12-29

2014年のウィンウッドを振り返って

今年は6月に全米ソロツアー(西海岸を中心に11会場で12公演)を行い、その後8月から10月まで全米ソロツアーをトムペティ & ハートブレーカーズとともに行った(34会場で37公演、そのうち単独ソロ公演1つ、また9/6のライブではWidespread Panicと共演)。ツアー中にトムペティ & ハートブレーカーズとの共演も実現しました。全米ツアーを1年に2回もするとはすごいけど、その分レコーディングからは遠ざかっているわけです。しかも来年のソロツアーの予定がすでに出てるし。。。だけど毎年精力的に活動しているのはいいことです。それでは皆さんよい年末年始をお過ごしください。

2014-12-27

TrafficのMr Fantasy (1967)とJimmy Miller

今回はTrafficのMr Fantasyの録音とプロデューサーのJimmy Millerに関する話題です。前回紹介したPhill Brown氏の著作だけでなく他の記事やインタビューなどからの話も含めて書きます。

ロンドンのオリンピック・スタジオで1967年2月から行われたトラフィックの録音は一風変わっていて、スタジオ内に大勢のゲスト(バンドのメンバーの恋人や友人など)がいて賑やだったが、同時にアットホームな雰囲気にもなっていた。曲によってはスタジオの床に敷いたカーペットの上にバンドが輪になって座り、アコースティック・ギター、パーカッション、フルート、ピアノを録音した。

有名なのがDear Mr. Fantasyの録音についてのエピソード。スタジオはだいたい20x15mぐらいの広さで、スタジオの奥に一段高くステージ状になっているところがあり、その上でトラフィックが演奏するのをライブ録音した。Dear Mr. Fantasyの録音中、曲の最後テンポが早くなるとき、エンジニアのEddie Kramer氏はジミー・ミラーがコントロール・ルームからいなくなっていることに気づいた。よく見ると、彼がスタジオの中を全力で走っているではないか!そしてバンドのステージに駆け上がり大きなマラカスを手に取り超飛び入りで録音に参加。バンドのメンバーは演奏しながら皆驚愕の表情だったそうだ。

正式クレジットには出ていないが、ファンタジーの最後に出てくるマラカスはジミー・ミラーの演奏でした!グルーヴを生み出すには何が必要か常に考え、気づいた事はすぐに行動に移しまた自ら積極的に演奏にも参加する、なんとも素晴らしいプロデューサーでした。自分はあのマラカスを聞くたびにこのジミーの行動とその時のメンバーの表情を想像してしまいます。。。昔だから無理な話だけど、もしこの時の録音風景が映像に残されてあったらすごく面白かったのに、とも思ってしまう。それからこのアルバムの最終曲 Giving to youで "You know where I'm at, but I mean jazz."と言っているのも実はジミー・ミラーです。またジム・キャパルディとスティーブ・ウィンウッドは、TrafficのCD:The Last Great Traffic Jamに収録のインタビューで、上のファンタジーの録音に関するエピソードに触れていて、ジミー・ミラーは陰のヒーローでトラフィックに偉大な貢献をした人物だと語っています。またMedicated Gooでのパーカッシブなピアノは彼のアイデアだそうです(*注)。それに加えて彼はMedicated Gooを始めTrafficの曲の歌詞をいくつか書きました。

Jimmy Millerとウィンウッドの関わりは、Spencer Davis GroupのGimme Some Lovin'、I'm a man、それにトラフィック(Mr. Fantasy(1967), Traffic(1968), Last Exit(1969))やブラインド・フェイス(1969)のアルバムなど数多くあり、ウィンウッドの音楽を語る上で欠かせません。

(参考リンク)http://www.furious.com/perfect/jimmymiller.html

(*注)John Barleycorn Must Die(1970)のGladのピアノ演奏(プロデュースはウィンウッド他)にもそれが生かされている。


Traffic: Dear Mr. Fantasy

2014-12-23

ファーストアルバム Steve Winwood(1977)のレコーディング詳細と秘話

Phill Brown (フィル・ブラウン氏)による著作Are We Still Rolling? の本からの情報です(amazon.comのページのLook Insideで本の目次などが見れます)。彼はレコーディング・エンジニアなので、機材や録音に関する話が多くのっています。彼はスティーブの録音に何回か関わり、この本にはTraffic (Mr. Fantasy), Go, それにSteve Winwood (1977)の章があります。また彼はAmazing BlondelのBlondel (1973)も担当しました(Winwoodはベースで参加, ドンサノヴさん情報サンクスです)。
今回はスティーブのファーストアルバム、Steve Winwood (1977)に関するレコーディング詳細と秘話です。


1. Chipping Norton のスタジオにて


Mark Miller-Mundy(steveの近隣の住人らしい)が Walk Me to the Lilies(検索してもこの曲に関する情報は出てこないので詳細は不明)という曲を録音したいということで、アイランド・レコードのFallout Shelterに1976年10月11日に集まった。スティーブはピアノに向かい、セッション中ほとんど無口でこの曲に取りかかったが、やる気がなさそうだった。2日間作業をしたのち彼が言った。『この曲は自分に合ってない。だけど自分の曲やアイデアはたくさんあるので、自分のスタジオかチッピング・ノートンでやらないか?』マークとフィルは同意し、結局後者で行うことにした。
1976年10月27日にチッピング・ノートンのスタジオに集まり、セッションを行うことになった。メンバーはJohn Susswell (Dr), Alan Spenner (bass), Brother James (perc), Junior Marvin (g). スティーブはやはり無口で、セッション中ほとんどアイコンタクトをしなかった。
スティーブは毎晩のセッション後に自分(フィル)を30kmほど離れた自宅に泊めてくれた。(フィルによればスティーブ所蔵の自慢の車のコレクションは1930年代のキャデラック、2台のフェラーリ、1960年代のフランスのスポーツカー(4台)、メルセデス サロンなど)。
毎朝スティーブが運転するフェラーリ・ディーノに乗って30分かけてチッピング・ノートンまで行った。車高が低く(おそらく地面から10cm)狭い田舎道を時速160km以上でぶっ飛ばしたので、私は毎回死ぬ思いをした。スタジオに着くと気持ちを落ち着かせるためにまず紅茶を飲む事を必要とした。セッションが終わって同様に怖い思いをしながらスティーブの邸宅に車で戻ると、2人で大きな暖炉の前に座って(あまり会話をせず)朝の5時か6時まで過ごしたものだ。アームチェアに座り、紅茶を飲みながら今日起こった出来事をかいつまんで話した。会話は多くなかったが、不思議とそれでもとても心地よかった。
スティーブはスタジオで10曲録音した。“Vacant Chair”と“Time is Running Out”などはほぼ仕上がり、“Hotel Blues”(Jim Capaldiの曲か。彼のアルバムElectric Nights(1979)に同名曲があり)と“Luck’s In”などはまだ完全ではなかった。ある朝電話があり、クリス・ブラックウェルが出来具合をチェックしたい、と要請があったので、私(フィル)は彼に聴かせるために曲を急いで仕上げた。全部聞き終わるとクリスはスティーブに一言、『どれもグレートな出来だが、アンディ・ニューマークとウィリー・ウィークスと共に録音し直すべきだ』。スティーブが驚いてどういう意味か尋ねると、『曲はどれもいいが、アンディ・ニューマークとウィリー・ウィークスのリズムセクションはとても優秀で、君の曲にはぜひ必要だ』と言われ、スティーブは『分かりました、そうしてみます』と乗り気がなさそうに言った。クリスの音楽センスは抜群だし、彼のアイデアは通常成功しがちで、さらに彼が自分たちのボスなので従わざるを得なかった。

2. Basing Street Studiosにて


クリスの指示に従うためにベイジング・ストリート・スタジオ2に入った。メンバーはスティーブ(キーボード、他)とAndy Newmark (Dr)とWillie Weeks (bass)の3人だ。3人が向かい合っての演奏なので、以前と違ってアイコンタクトもしやすい状況だった。録音にはクリスも立ち会っていた。3人はリラックスして、演奏も活気がありとても生産的だった。チッピング・ノートンからのレコーディングからは1曲のみ(Vacant Chair)が残った。残りの4曲はベイジング・ストリートでの録音だ。

3. Island Mobile を使ってスティーブの自宅での録音


スティーブ、マーク、フィルの3人は1977年1月3日にベイジング・ストリート・スタジオ1でオーバーダビングを始めた。しかしスティーブはグロスタシャーの自宅にあるハモンドの方が音がいいのでそれを使いたいと主張したので、そうすることにした。そのためにアイランド・モービルと言われる移動式の録音スタジオを使用することに決めた。そして1/20にスティーブの自宅までアイランド・モービルを運んだ。作業は進行し、あとは Midland Maniacのマスター作りだけになった。この曲は(当初)ピアノだけで演奏された。録音はチッピング・ノートン、ベイジング・ストリート、そしてスティーブの自宅で行われたが、スティーブはそのどの出来にも満足していなかった。この曲の事を話し合っている時にスティーブが提案した。『ベイジング・ストリートでの録音は前半と終わりが良いが、中間部は良くない、そして自宅での録音は中間部が良いが終わりは良くない、そして他の録音はイントロが良く、、、、』そして続けた。『フィル、これらのいい部分を繋ぎ合わせてくれないか?』
『やってみよう』、と私は答えた。しかし問題は多かった。ピアノの音を編集するのは難しい。それにテンポも違うし、ピアノソロなのでドラムのクリック音も入ってない。それでも自分はベストをつくし、繋ぎ合わせてそれなりのバージョンを作った。スティーブに聴いてもらうと『まあまあいいが、悪い所もある。3つのピアノセクションからなので、調子が合ってない。ドラムを加えてみてどうなるか試してみよう。』これを聞いて自分は度肝を抜かれた。スティーブが、フリーのテンポで弾かれるピアノに合わせてドラムを演奏することにしたのだ。普通はドラムが最初に録音されるものだが。。。
スティーブの自宅のスタジオ機材は素晴らしかったが、この時はそのどれも使わず、長いケーブルを通してアイランド・モービル内の機材を使った。2回のテイクでスティーブはドラムを8分間のピアノ演奏に合わせて録音し終えた。彼がボーカル、ギター、ベース、キーボードを出来ることは知っていたが、彼がドラムまでも、しかもクリック音なしのソロピアノに合わせて演奏できてしまう技術に感動してしまった。その後、次々と他の楽器をスティーブがオーバーダビングで録音していった。
スティーブの多くの楽器を演奏できる才能は、このようにオーバーダビングを多用する録音ではとても役に立った。スティーブの自宅での録音は続き、彼はピアノ、オルガン、ドラム、ギター、ベース、フェンダーローズを次々に演奏した。これらのパフォーマンスを見るのはじつに楽しかった。

4. 再びベイジング・ストリート・スタジオへ


3月までにほぼ作業は終了し、再びベイジング・ストリート・スタジオへ戻った。最終のオーバーダビングとミックスを行い、またリーボップ・クワク・バーとブラザー・ジェイムスのパーカッション、それにジム・キャパルディとニコル・ウィンウッドのバックボーカルの録音を行った。
スティーブは全てのオーバーダブを終え、またLuck's Inのギターソロを録音し、3月の終わりまでに6曲をミックスする準備ができた。なんとか最初のミックスを終えてクリスを含む皆にコピーを渡し、各自がよく検証することにした。2週間後にスタジオ2に戻り、3日間かけてリミックスを行った。結局録音を開始してから全部終えるまでに6ヶ月間かかった。これは今まで自分が関わったプロジェクトの中で最長だ。

5. Steve Winwood(ファーストアルバム)の完成

スティーブによれば『これは力強いアルバムだが、自分には契約があったので、踏み車に乗せられていたような感じだった』。契約のためにアルバムをむりやり作らされたため、やる気がなさそうに見えたのかもしれない。
スティーブの最初のソロアルバムを作り上げたのは私(フィル)にとって実にうれしい経験だった。特に、最初チッピング・ノートンのスタジオでオルガンやピアノを録音したり、Vacant ChairやLet Me Make Something in Your Lifeの録音を聴いて感動のあまり背筋がぞくぞくした日々が思い出される。自分にとって幸運なキャリアの発展をもたらし、自分の名前をレコード会社のフリーのエンジニアのリストに加えられることにもなった。
これらのすべては、最初の2日間にWalk Me to the Liliesという曲(結局未完成)に取り組んだことから始まったのだった。

(コメント)
・Chipping Nortonで録音したのは10曲。アルバムの6曲とHotel Blues 以外の3曲の名前は明らかになってない。(Walk Me to the Liliesの録音は最初の2日間だけ、しかもスタジオが異なるのでこの10曲には入っていないと思う。)このスタジオでのセッションからはVacant Chairのみがアルバムに収録されたので、このセッションからの未発表曲/バージョンが9曲あると思われる。
 
・その後ベイジング・ストリートのスタジオで、アンディ・ニューマークとウィリー・ウィークスとともに再録音したとあるが、全部で何曲そこで録音されたかはこの本に書いてない。Vacant Chairはこのトリオのメンバーでもやった可能性が高い(ベストテイクを決める時に、Chipping Nortonでやったバージョンが残ったという記述があるので。)また、4曲に絞りこんだとあるので、他にもトリオで録音した曲がある可能性がある。


Midland Maniac by Steve Winwood

2014-12-20

David Hood(bass)のウィンウッドに関するコメント

前回紹介したvintageguitar.comの記事にDavid Hood のインタビューが少し載っていて、スティーブのベース演奏に関して語っています。

スティーブは優れたベース奏者だ。ライブでトラフィックの曲を演奏するために、彼が弾いたベースをレコードからコピーするのはいつもチャレンジだった。なぜなら彼は普通のベースプレーヤーと少々違った考えを持っているからだ。しかし自分はいつも彼と同じようなフィーリングになるように努力し、それが達成できるといつも得る所が大きかった。彼は自分にどのようにプレイしたらいいか言ったことはなく、アルバムの演奏を参考にして自分の演奏を作り上げた。ちなみにShoot Outのアルバムの録音に参加した時も自分で演奏を考えた。

新事実:Traffic の Shoot Out at the Fantasy Factoryはマッスル・ショールズで録音された!

Trafficのアルバム Shoot Out at the Fantasy Factory (1973)はマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオのミュージシャン、David Hood (bass)とRoger Hawkins (Dr)が、トラフィックの一員として参加していることで有名です。(アルバム詳細はstevewinwood.infoのサイトをどうぞ。)
このアルバムのクレジットによれば、この録音はジャマイカのStrawberry Hill Studiosで行われたことになっているが、自分にはこれがずっと気にかかっていた。マッスルショールズにミュージシャンやエンジニアがいるのに、なぜわざわざ皆でジャマイカに渡って録音したのか。それにアルバムに掲載のマッスル・ショールズのスタジオの駐車場で撮った写真(上のリンク参照)にはメンバー全員が写っているではないか!ジャマイカ録音は本当なのか。。。気になっていろいろ調べると、David Hoodが、このアルバムは実はマッスルショールズで録音された、と言っている記事を発見。その理由として、当時トラフィックのメンバーはアメリカ国内で仕事をするための労働許可を持っていなかったことを挙げています。彼の他に誰もそういうことを言う人がいないのは多少気になるが、上記の理由が本当ならそれも分かるような気がする。David Hoodのオフィシャルサイトにメールアドレスがあったので、確認のために彼にメールで尋ねると『Shoot Outのアルバム録音はすべてマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオ(*)で行われた。ミックスもそこでされた。』と返事がきました。機会があればスティーブにもぜひ聞いてみたいです。

(*)Muscle Shoals Sound Studios, 3614 Jackson Highway, Sheffield, Alabama 35660

2014-08-27

Chicago (8/23)

Steve Winwood
United Center
Chicago, Illinois
August 23, 2014

(1)  I'm A Man
(2)  Them Changes
(3)  Can't Find My Way Home
(4)  Medicated Goo
(5)  The Low Spark Of High-Heeled Boys
(6)  Empty Pages
(7)  Higher Love
(8)  Dear Mr. Fantasy
(9)  Gimme Some Lovin'

Nine Livesからの曲が外れ、ソロになってからの曲は80年代のHigher Loveのみというのは珍しいかな。今回もThem Changesが入ってます。

2014-08-12

Santa Rosa, CA (8/9)

8/9にSanta Rosa, CAで行われたライブのセットリストです。先日書いたように、この日Tom Pettyは別会場(サンフランシスコのOutside Lands Music Festival)だったので、これは通常の単独ソロ公演で12曲と長め(約90分)でした。また行った人によれば、Light upの演奏中にスティーブのハモンドにトラブルが起き、同曲のドラムソロの最中に別のハモンドと『交換』されたそうです。予備のハモンドをツアーに持って来ているなんて今まで知りませんでした!それに曲の演奏中にそんな早業できるんですね。

Steve Winwood
2014-08-09
Wells Fargo Center For The Performing Arts
Santa Rosa, CA 

01. I'm a Man
02. Fly
03. At Times We Do Forget
04. Can't Find My Way Home
05. Medicated Goo
06. Low Spark Of High Heeled Boys
07. Empty Pages
08. Them Changes
09. Light Up And Leave Me Alone
10. Higher Love

Encore:
11. Dear Mr. Fantasy
12. Gimme Some Lovin'


6月のソロツアーでは1曲目はRainmakerだったけど、今回は外れてますね。それ以外はほぼ同じ。Them Changesがここでも入っているのがうれしい。

2014-08-11

Eugene, OR (8/7)

8/7にEugene, OR で行われたライブのセットリストです。先日のせた8/3のライブ(San Diego)の時と比べると、Low SparkとEmpty Pagesの順番が入れ替わっただけ。

Steve Winwood
2014-08-07
Matthew Knight Arena
Eugene, Or.

1. I'm A Man
2. Fly
3. Can't Find My Way Home
4. Medicated Goo
5. Low Spark Of High-Heeled Boys
6. Empty Pages
7. Higher Love
8. Dear Mr. Fantasy
9. Gimme Some Lovin'

それからまた追加公演の情報です。10/5にSan Jose, CAのSAP Centerでのライブです。

2014-08-09

Tom Pettyのライブ直前のエピソード

Tom Pettyのオフィシャルサイトにちょっとしたエピソードが出ていました。Eugene, ORで8/7に行われたTom Petty & the Heartbreakersのライブが始まる直前、ステージに上がる前に、ウィンウッドが直接彼らにおめでとう!を言ったそうです(彼らのニューアルバム  Hypnotic Eye が今週全米No.1に輝いたため)。トムのコメントは『スティーブにそう言われるのはとてもうれしい』。

ちなみにこの日までにウィンウッドとの共演は実現していないようです。

それから追加公演(10/11)が決定しました。会場はその前日と同じくThe Forum (Inglewood, CA)。

2014-08-08

San Diego (8/3)のセットリストと写真

San Diego (8/3)のセットリストと写真が現地の写真家Alan Hess氏のサイトに出ました。記事のタイトルは Steve Winwood – Second Chance。どの写真も素晴らしい出来映えです。ところでなぜセカンド(2回目)なのかと言うと、以前ここで紹介したように彼は今年のウィンウッドのソロツアーのサンディエゴ公演 (6/17)でも素晴らしい写真を撮っていたからです。つまり今年2回目のウィンウッド公演だったと。でも一つ残念なのは記事中で『ピアノ』と書いていることです。。。スティーブが弾いているのはオルガンですからね!前座なので1時間の公演で9曲と少なめです。

Steve Winwood
2014-8-3  Viejas Arena,  San Diego, CA

1. I’m a Man
2. Fly
3. Can’t Find My Way Home
4. Medicated Goo
5. Empty Pages
6. Low Spark of High Heeled Boys
7. Higher Love
8. Dear Mr. Fantasy
9. Gimme Some Lovin’

ちなみにこの会場はサンディエゴ州立大学にあるアリーナでした。大学のキャンパス内でこういうコンサートが開かれるなんていいですね。でも観客は学生中心とは限りませんが。

2014-08-05

8/3 San Diego

Tom Pettyのツアー初日のライブ(カルフォルニア州サンディエゴ)のレビュー記事が出ました。スティーブのソロステージに関しては、オープニング・アクトだったがスタンディングオベーションが起きたと書かれています。スティーブの写真は2枚のってます(写真1写真2)。トム・ペティを意識してか分かりませんが、2枚ともギターの写真です。また2人の共演は起こらなかったようです。今後に期待しましょう。
それから別の記事には多くの写真があり、スティーブの写真も5枚のってます。

2014-08-02

Tom Petty & the Heartbreakersとのツアー

2008年に引き続き、ウィンウッドはトムペティ & ハートブレーカーズとのツアーを行います。8/3から10/10まで34会場で計37公演とかなり大掛かりなツアーです。2008年のときは前座としてウィンウッドのライブがあり(1時間程度)、そしてTom Pettyのステージにも時々登場して共演していました(演奏したのはGimme Some Lovin'とCan't find my way home、詳細は当時のブログ記事などをどうぞ)。今回はTom PettyのオフィシャルページLIVE 2014 WITH VERY SPECIAL GUEST STEVE WINWOOD、とあるようにWinwoodのソロステージだけでなくTom Pettyとの共演が目玉のようです。毎回共演が実現するのでしょうか。その場合上の2曲以外に何か演奏するのか注目したいです。2008年の時と全く同じにはならないと思うので、例えばTom Pettyの曲にウィンウッドが参加したりするのでしょうか。

ツアーの日程は以下の通り。(余談だけど、この日程をまとめるのは苦労しました。。。ウィンウッドのオフィシャルページの情報は依然として正確でなく、掲載されてないライブもいくつかあったので、Tom Pettyのページなどいろいろ参照しました。。。)

Steve Winwood (Solo tour)


2014-08-03  Viejas Arena,  San Diego, CA
2014-08-05  Taco Bell Arena,  Boise, ID
2014-08-07  Matthew Knight Arena,  Eugene, OR
2014-08-09  Wells Fargo Center for the Arts,  Santa Rosa, CA(注1)
2014-08-12  Moda Center,  Portland, OR
2014-08-14  Rogers Arena,  Vancouver, BC Canada
2014-08-15  The Gorge Amphitheatre,  George, WA
2014-08-17  Rexall Place,  Edmonton, AB Canada
2014-08-19  Scotiabank Saddledome,  Calgary, AB Canada   
2014-08-21  MTS Centre,  Winnipeg, MB Canada
2014-08-23  United Center,  Chicago, IL
2014-08-24  DTE Energy Music Theatre,  Clarkston, MI
2014-08-26  Air Canada Centre,  Toronto, ON Canada
2014-08-28  Bell Centre,  Montreal, QC Canada
2014-08-30  Fenway Park,  Boston, MA (注2)
2014-08-31  Cumberland County Civic Center,  Portland, ME
2014-09-06  Lockn' Music Festival,   Arrington, VA (Sit in with Widespread Panic)(注3)
2014-09-07  Darien Lake PAC,  Darien Lake, NY
2014-09-10  Madison Square Garden,  New York, NY
2014-09-11  PNC Bank Arts Center,  Holmdel, NJ
2014-09-13  XL Center,  Hartford, CT
2014-09-15  Wells Fargo Center,  Philadelphia, PA
2014-09-16  PPL Center, Allentown, PA
2014-09-18  PNC Arena,  Raleigh, NC
2014-09-20  Cruzan Amphitheatre,  West Palm Beach, FL
2014-09-21  Tampa Bay Times Forum,  Tampa, FL
2014-09-23  Bridgestone Arena,  Nashville, TN
2014-09-25  Toyota Center,  Houston, TX
2014-09-26  American Airlines Center,  Dallas, TX
2014-09-28  BOK Center,  Tulsa, OK
2014-09-30  Red Rocks Amphitheatre,  Morrison, CO
2014-10-01  Red Rocks Amphitheatre,  Morrison, CO
2014-10-03  Red Rocks Amphitheatre,  Morrison, CO
2014-10-05  SAP Center,  San Jose, CA (注4)
2014-10-07  Honda Center,  Anaheim, CA
2014-10-10  The Forum,  Inglewood, CA
2014-10-11  The Forum,  Inglewood, CA (注5)

Steve Winwood - Hammond B3 organ, guitars, vocals
José Neto - guitars
Paul Booth - Sax, keyboards, vocals
Richard Bailey - Drums
Cafe DaSilva - Percussion

注1:Tom Pettyはこの日はOutside Lands Music Festival,  San Francisco, CAでライブ
注2:この会場はボストンレッドソックスの野球場!
注3:ここではWidespread Panicとの共演をするようだ(参考記事
注4:追加公演
注5:追加公演

2014-07-04

Dave Masonのインタビュー記事

デイブ・メイソンの最新インタビュー記事にトラフィックに関するコメントがあります。記事のタイトルは『伝説のバンドに対するデイブ・メイソンの嘆き』で、現在でもいろいろ気にしている様子が伝わってきます。トラフィック在籍時に関して、音楽的なすれ違いからトラフィックを脱退させられたと言い、そのことの不満を述べています。(注:スティーブはインタビューでデイブがバンドを去っていったと言ってるのとは対照的。)またスティーブは自分と口を聞かないけど、もし彼と2人でトラフィックの再結成をすれば、彼も意外に楽しんでくれるかもね?と述べています。(注:スティーブはジムと一緒でなければトラフィック再結成はないと言っているので、ジム亡き後の今ではそれは不可能でしょう。)

また現在のデイブのソロライブでは、Traffic在籍時の曲(Feelin' Alright, 40000 Headmen, Paper Sun, Dear Mr. Fantasy, Hole in My Shoe)に加えてLow Spark of High Heeled Boys (これはメイソン脱退後の曲)も弾かれているそうです。

2014-07-03

ソロツアー(6月)のセットリスト

ウィンウッドの夏のソロツアー(6月)が終わりました。セットリストはすでにのせたものとほとんど変化なし。6/26 (Oakland, CA)と6/28 (Portland, OR)は自分が観た6/25(Saratoga, CA)と全く同じ。6/24のLA公演は曲順が違うだけでした(Them Changesが6曲目に弾かれて、残りは同じ)。

次は8月から10月にかけてのTom Petty & the Heartbreakersと一緒のツアーです。こちらも期待しましょう!

2014-07-01

Winwoodの最新インタビュー

ウィンウッドの最新インタビュー記事が出ました。だいたいいつもと同じことを語っているけれど、一つだけ新しい情報が。記事によれば今年の春に新しい曲を作ったとあります!これはレコーディングをしたということなのでしょうか。そして今年のツアーがすべて終わったら、また新しい作品に取りかかる予定だそうです。でもニューアルバムではなく、別の方法(シングルやダウンロードなど)での曲のリリースを考えているそうです。

また、ウィンウッドは最近のエレクトロニック・ダンス・ミュージックにとても興味を持っているそうです。ラテンやブラジル音楽とのリンクがあり、それに多くの可能性を見いだしているようです。ウィンウッドの音楽がこれから変化していくのでしょうか。


Winwood のツアー・ブログ(オフィシャル)

ウィンウッドのツアーブログが新しくなりました!Steve Winwood Tour Blog
写真が多いのはいいけれど、文章ももっと書いてくれるとよく分かっていいのだけれど。

以前のツアーブログはまだ残ってますが、こちらはもう更新されないみたいです。

2014-06-30

日本語のニュース記事

以前見つけたYahoo Japanのニュース記事です。書く機会がなかったけど、忘れないうちにのせておくことにしました。

スティーヴ・ウィンウッド、トム・ペティとジョイント・ツアー (5/22)

ロバート・プラント、教会の慈善コンサートでスティーヴ・ウィンウッドと共演 (4/17)

2014-06-26

Winwoodのライブ(Saratoga, CA)に行ってきました!


6/25(水)にカルフォルニア州サラトガで行われたウィンウッド・ライブに行ってきました!とても熱いライブで、盛り上がりました。会場は小高い山の上にあるワイナリーで眺めもよかったです。なかなか面白い体験をしました。詳細はまたあとで。

Steve Winwood
2014-06-25 (Wed)
Mountain Winery,  Saratoga, CA
20:33-22:09 (96min) 

01) Rainmaker
02) I'm A Man
03) Fly
04) Can't Find My Way Home
05) Medicated Goo
06) Low Spark Of High-Heeled Boys
07) Empty Page
08) Them Changes
09) Light Up Or Leave Me Alone
10) Higher Love
Encore
11) Dear Mr. Fantasy
12) Gimme Some Lovin'

2014-06-23

レビュー記事とコンサート・フォト (6/22 Denver, CO)

6/22にコロラド州デンバーで行われたライブのレビューと写真(13枚)です。
レビューによると、ライブ中に数回のスタンディング・オベーションが起きて盛り上がったそうです。またスティーブのボーカルとギターを賞賛していて、ライブのハイライトは各奏者のソロが出たLight up or leave me aloneだそうです。

コンサート・フォト (6/20 Telluride, CO)

6/20のコロラド州のTelluride Bluegrass Festivalでの写真(8枚)が出ました(#146-153)。写真下には6/21とありますが、ウィンウッドがTellurideでやったのは6/20でした。スティーブとリチャード・ベイリー(Dr.) の写真しかないのがちょっと不思議ですが。

2014-06-22

セットリストとレビュー記事(6/18 Stockton, CA)

6/18に Stockton, CA のBob Hope Theaterで行われたライブのセットリストです。Rainmaker, Medicated Goo, Back in the High Lifeは近年ではあまり演奏されてない曲なので、ちょっとなつかしい感じ。それから一番珍しいと思ったのはThem Changes!クラプトンとのツアーでやった時もウィンウッドがボーカルでしたね。

Steve Winwood
2014-06-18
Bob Hope Theater in Stockton, CA

01) Rainmaker
02) I'm A Man
03) At Times We Do Forget
04) Can't Find My Way Home
05) Medicated Goo
06) Back In The High Life
07) Them Changes
08) Low Spark Of High-Heeled Boys
09) Empty Pages
10) Light Up Or Leave Me Alone
11) Higher Love
12) Dear Mr. Fantasy
13) Gimme Some Lovin'

Steve Winwood: Vo, org, g, mandolin
Jose Neto : g
Paul Booth : Sax, org, Flute
Cafe da Silva : Perc
Richard Bailey : Dr

それからこのライブのレビュー記事が出ました。好意的なレビューで、写真も2枚あります。(注:記事中にはGladを弾いたとありますが、これは間違いですね。)ウィンウッドのボーカルはまだ力強く衰えていない、とあります。会場も盛り上がったようです。(6)ではマンドリンが弾かれました。



2014-06-21

コンサート・フォト (6/17 San Diego, CA)

6/17にカルフォルニアの最南端San DiegoにあるHumphreysで行われたウィンウッドライブの写真です。プロのカメラマンが撮ると迫力満点だけど、これらは特にすごいです!コンサート会場もとても素敵ですね。いつかここでライブを観てみたいです。

Steve Winwood - Concert Shoot (by Alan Hess) at Humphreys in San Diego, CA

2014-06-17

2014年の夏の全米ソロツアーがスタート!

久々の更新です。Winwoodの夏のソロツアーがスタートしました。6/13-6/29まで11会場で12公演です。(それが終わると今度は、Tom Pettyとのジョイントツアーですね、この話題はまた今度。)初日(または2日目)のラスベガス公演の写真が大量アップされました(同じ会場で2日連続の公演だったけど、どちらの日の写真かは分かりません(注)。 メンバーの服装が同じなので、両方の公演ではないでしょう)。やはりプロが撮ると迫力ありますね〜。うらやましいです。以下気がついたことをコメント。

バンドはいつものメンバー、パーカッションはcafeですね。ほぼ不動のメンバーで2006年からやってます。ネトとはもう10年以上一緒ですね。オルガンの背後にある犬の置物?はちょっと気になります。ウィンウッドは白いもみあげがやけに目立つ。ウィンウッドはもう66歳ですか。年齢を感じさせますね。以前のライブではモニターがオルガンの右横に設置してあったが、今ではオルガンの上のiPadで歌詞を確認しているようです。winwoodのライブにしては照明がやや派手だと感じました。セットリストは基本的に例年とほぼ同一なんでしょう。アルバムは2008年以降出てないし、時折出るインタビューを読んでもレコーディングの話題などは全然出ません。今年はライブばかりなので、録音は年内は無理ですかね。

(注)写真のファイル名から、日付は6/14(2日目)と判明しました。

2014-03-24

2014年の夏の全米ツアー

先日ウィンウッドのオフィシャルサイトのイベントのページで、今年の全米ツアーの日程が発表になりました!去年のツアーは東海岸が中心だったので、今年はその反動で西海岸が中心になってます。
追加公演がすでにいくつか発表されていますが、まだ日程に空きがあるしロス(またはその周辺)でのライブがないのも不思議なので、これからも追加の発表があるかもしれません。 (その時はこのリストも適宜修正します。)

2014-06-13  Brooklyn Bowl Las Vegas,  Las Vegas, NV
2014-06-14  Brooklyn Bowl Las Vegas,  Las Vegas, NV
2014-06-17  Humphreys,  San Diego, CA (new)
2014-06-18  Bob Hope Theater, Stockton, CA
2014-06-20  Telluride Bluegrass Festival, Telluride, CO
2014-06-21  Jazz Aspen Snowmass,  Aspen, CO
2014-06-22  Paramount Theatre,  Denver, CO
2014-06-24  Pantages Theatre,  Los Angeles, CA (new)
2014-06-25  Mountain Winery in Saratoga, CA (new)
2014-06-26  Fox Theater,  Oakland, CA
2014-06-28  Edgefield,  Troutdale, OR
2014-06-29  Chateau Ste. Michelle Winery,  Woodinville, WA

2014-09-06  Lockn' Music Festival,  Arrington, VA (Sit in with Widespread Panic)

それから、9/6のライブはこちらの記事によると、どうやらWidespread Panicのステージにウィンウッドが登場して共演する予定のようです。(記事によると多くの曲を演奏するとあり)期待しましょう!

それから今まで書く機会がなかったけど、去年大幅にリニューアルしたウィンウッドのオフィシャルサイトに関して。 投稿されているニュースがあまりないし、またニュースのページがとても見にくいのでちょっとがっかり。せめてニュースの見出しのリストがすべて見られるようにしてほしい。また過去のライブ日程もアーカイブにのせてほしい。 ウィンウッド本人も、ニュースはFacebookの方に詳しくのせているのが現状だ。ところでリニューアル後のオフィシャルサイトには、Roll With Itの時に使われた、SとWを組み合わせたロゴが復活されていて懐かしい感じ。だけどこれに関しても一つコメントがある。実は以前ワインで有名なカルフォルニアのナパバレーにあるワイナリーを訪れたときに、これととても似たロゴを見つけて思わず苦笑してしまいました。。。 V. Sattui Wineryのロゴがそれです。こちらはV、S、Wを組み合わせてあるけど、どちらかが真似たんでしょうか?? Roll with Itといえば奇妙な盗作疑惑があったけど、実はロゴも?などと思ってしまいます。

2014-03-09

2014 Hammond Hall of Fame

去年書きそびれたニュースの一つですが、2013年12月にハモンドオルガンで有名なHammond USAの会社が80周年を記念して、ハモンドオルガン奏者の殿堂を企画しました。そして26人のロックやジャズのミュージシャンが2014年の殿堂入りを果たし、ウィンウッドももちろんその一人に選ばれました! 殿堂入りのミュージシャンは次の通り。Al Kooper, Shirley Scott, Larry Young, Billy Preston, Booker T, Brian Auger, Milt Herth, Chester Thompson, Dr. Lonnie Smith, Ethel Smith, Thomas “Fats” Waller, Felix Cavaliere, Gregg Allman, Gregg Rolie, Jesse Crawford, Jimmy McGriff, Jimmy Smith, Joey DeFrancesco, Jon Lord, Keith Emerson, Barbara Dennerlein, Eddie Layton, Porter Heaps, Richard “Groove” Holmes, Steve Winwood and Twinkie Clark. それから、Hammond USAの2014殿堂のサイトには殿堂入りミュージシャンそれぞれに関する記事があり、Winwoodに関しては、多くのソングライターはピアノやギターで曲作りをするがWinwoodはハモンドを使ってそうするのがユニークだ、とあります。(注:実際にそうやっているのかは自分にはよく分かりませんが。オルガンをメインで使う曲はやはりそうなのかな。)

それから関連話題ですが、ウィンウッドのオルガン演奏で最も有名なのは2003年のAbout Timeのアルバムだけど、このタイトルは実はかなりポピュラーで、いろんなミュージシャンのアルバムで使われています。米amazonで検索すると、"About Time" あるいは "It's About Time" はかなりたくさんあります。ちなみにJack McDuffとJoey DeFrancesco (両者ともジャズオルガン奏者) の "It's About Time" (1996)もありますね。ウィンウッドは以前のインタビューで影響を受けたオルガン奏者の一人にDeFrancesco(今回Winwoodと同じく殿堂入りを果たした)を挙げていたし、スティーブはひょっとしてここからアルバム名をとったのであろうか?(このアルバムは自分も持っているけど、ウィンウッドのアルバムとの音楽的な関連性はほぼなさそうです。)

ちなみに同様に"Nine Lives"もけっこうポピュラーな名前です。これらは偶然でしょうか?

2014-03-03

Lynn Goldsmith が撮影したロックミュージシャンの写真集

アメリカの写真家リン・ゴールドスミスの洋書2冊:Rock and Roll (2007年出版)とRock and Roll Stories (2013年11月出版)を図書館から借りてきました。(アマゾンのLynn Goldsmithのページ)どちらにも長年に渡ってLynnが撮影した多くのロックミュージシャンの素晴らしい写真が満載です。自分が特に気に入ったのはRock and Roll Storiesの方で、以下はこの本に関する話です。この本にはフォトグラファーである彼女のコメントがそれぞれの写真にのっています。撮影時のエピソード、裏話、トラブルに加え、ミュージシャンの知られざる一面なども紹介されていて、読んで楽しく、ロックファン必見です!自分はウィンウッドの写真に興味があったから借りてみたけど、結局面白くて全部読んでしまいました!ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、プリンス、ジェイムス・ブラウン、マイルス・デイビス、マイケル・ジャクソン、ブルース・スプリングスティーン(Lynnのボーイフレンドだったそうだ)などの話が特に興味深かったです(もちろん写真も!)。

撮影時にミュージシャンの服装や髪型などが彼女の指示でアレンジされていて、個性的な写真が多いです。だけどそんななかで、圧倒的に地味な写真がいくつかあります。。。それらはもちろんウィンウッドの写真(撮影は1982, 1983年)。お見せできないのが残念だけど、いたって普通の格好。でもLynnのオフィシャルサイトで写真が2枚見れます。これらは上の本にはのってません。そこにのっているコメント "All he wanted to do was stay home or walk his dogs."(彼(ウィンウッド)がしたかったのは家にいることか犬を散歩させることだった。)はこの本にも出て来ます。ちなみに本にのっているスティーブの写真はこれらと似た雰囲気。上の彼女のコメントから窺われるのは、スティーブの個性的な写真を撮ろうといろいろやってみたけど、結局普通の格好、振る舞いしかウィンウッドに似合わなかったということなのでしょう。スティーブの写真からは全然ミュージシャンという雰囲気がしません。。。また上のリンク先のページは、Photo Nightmare (撮影中の悪夢)のシリーズの一つなので、この彼女のコメントからは、彼女がスティーブを撮影する時に困り果てたのでしょう。

でもこの本には、ウィンウッドのとっておきのエピソードがのっていました! Talking Back to The Nightのアルバム作成時に、LynnはChris Blackwellからスティーブの写真撮影を頼まれた。(Chrisの意向としては、彼女の力を借りてスタジオにこもるスティーブを外の世界に引き出したいということだったらしい。でも上のコメントにあるように、彼女でさえも成功しなかった。)Lynnに勧められたこともあってスティーブはボブ・ディランに作詞を頼むことにした。冬のある晩NYのあるアパートで彼と会って作業を開始したが、煙草の嫌いなウィンウッドが、ディランが吸う煙草の煙を出すために窓を全開にし、そのためとても寒い中での作業はうまくいかず、2人はそれ以後会うこともなかった。。。この話は初耳でした!(ご存知のようにこのアルバムの作詞はWill Jennings。)

話が前後するけど、ウィンウッドは Will Powers (Lynnのプロジェクトで彼女がボーカル)に参加したのがLynn Goldsmithとの最初の出会いのようです。それからTalking back to the night(1982)のアルバムにのっているウィンウッドの写真は彼女が撮影したものです。