2014-12-27

TrafficのMr Fantasy (1967)とJimmy Miller

今回はTrafficのMr Fantasyの録音とプロデューサーのJimmy Millerに関する話題です。前回紹介したPhill Brown氏の著作だけでなく他の記事やインタビューなどからの話も含めて書きます。

ロンドンのオリンピック・スタジオで1967年2月から行われたトラフィックの録音は一風変わっていて、スタジオ内に大勢のゲスト(バンドのメンバーの恋人や友人など)がいて賑やだったが、同時にアットホームな雰囲気にもなっていた。曲によってはスタジオの床に敷いたカーペットの上にバンドが輪になって座り、アコースティック・ギター、パーカッション、フルート、ピアノを録音した。

有名なのがDear Mr. Fantasyの録音についてのエピソード。スタジオはだいたい20x15mぐらいの広さで、スタジオの奥に一段高くステージ状になっているところがあり、その上でトラフィックが演奏するのをライブ録音した。Dear Mr. Fantasyの録音中、曲の最後テンポが早くなるとき、エンジニアのEddie Kramer氏はジミー・ミラーがコントロール・ルームからいなくなっていることに気づいた。よく見ると、彼がスタジオの中を全力で走っているではないか!そしてバンドのステージに駆け上がり大きなマラカスを手に取り超飛び入りで録音に参加。バンドのメンバーは演奏しながら皆驚愕の表情だったそうだ。

正式クレジットには出ていないが、ファンタジーの最後に出てくるマラカスはジミー・ミラーの演奏でした!グルーヴを生み出すには何が必要か常に考え、気づいた事はすぐに行動に移しまた自ら積極的に演奏にも参加する、なんとも素晴らしいプロデューサーでした。自分はあのマラカスを聞くたびにこのジミーの行動とその時のメンバーの表情を想像してしまいます。。。昔だから無理な話だけど、もしこの時の録音風景が映像に残されてあったらすごく面白かったのに、とも思ってしまう。それからこのアルバムの最終曲 Giving to youで "You know where I'm at, but I mean jazz."と言っているのも実はジミー・ミラーです。またジム・キャパルディとスティーブ・ウィンウッドは、TrafficのCD:The Last Great Traffic Jamに収録のインタビューで、上のファンタジーの録音に関するエピソードに触れていて、ジミー・ミラーは陰のヒーローでトラフィックに偉大な貢献をした人物だと語っています。またMedicated Gooでのパーカッシブなピアノは彼のアイデアだそうです(*注)。それに加えて彼はMedicated Gooを始めTrafficの曲の歌詞をいくつか書きました。

Jimmy Millerとウィンウッドの関わりは、Spencer Davis GroupのGimme Some Lovin'、I'm a man、それにトラフィック(Mr. Fantasy(1967), Traffic(1968), Last Exit(1969))やブラインド・フェイス(1969)のアルバムなど数多くあり、ウィンウッドの音楽を語る上で欠かせません。

(参考リンク)http://www.furious.com/perfect/jimmymiller.html

(*注)John Barleycorn Must Die(1970)のGladのピアノ演奏(プロデュースはウィンウッド他)にもそれが生かされている。


Traffic: Dear Mr. Fantasy

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