2008-12-30

2008年のウィンウッドを振り返って

2008年はWinwoodに関する話題が多くうれしかった。なんと言っても一番の話題は5年ぶりのニューアルバム(Nine lives)が4/29に発売されたことだろう。それにともなうTV出演が多かったのもうれしかった。アルバムの評価も高く、現在米アマゾンでのユーザー評価の平均は星4.5個になっています。また5月末から3ヶ月間に及ぶ北米ツアーをTom Petty and the Heartbreakersとともに行い、彼らとの共演も実現した。それにウィンウッドは10月と11月にヨーロッパツアーを行った。今年自分はライブを2回観に行くことができて幸運だった。

その他ではまず2月末にエリック・クラプトンとNYでジョイント・コンサート(3公演)を行い、バークレー音楽大学から名誉博士号を授与(5/10)し、また5/12にめでたく還暦を迎えた。TrafficのSanta Monica Live (1972) のDVDが出たのもうれしいニュースだった。それでは皆さん良い年末年始をお過ごしください。

Back in the High Life Againが出来たいきさつ

半年前にJamieさんから教えてもらった記事ですが、忘れないうちに書いておきます。

Will Jenningsは80年代にウィンウッドの曲の歌詞を多く作りましたが、彼のインタビュー記事に興味深いことがたくさん書かれています。歌詞を作るときは、ウィンウッドとパブに行ってビールを飲んだり散歩したりして一緒に時を過ごし、なるべくそのアーチストの心の中に入っていけるようにするそうです。この記事のなかにBack in the high life againの曲が出来たいきさつが詳しく書かれていて感動的でした。要約だけど紹介します。

『ウィンウッドと自分は1984年の秋に次のアルバムに入れる曲の歌詞をいくつか書いた。しかし自分の滞在が終わりになりそうなころに、まだ曲がいくつか足りないことがわかった。そこで自分のノートを開き、Back in the high life againとタイトルが記されていたのを見つけると、突然歌詞の残りがひらめいたんだ。仕上げるのに30分ぐらいしかかからなかった。そしてそれをスティーヴに渡して自分はカルフォルニアに帰った。彼がスタジオに入るまで確か1年近くかかったと思う。1985年のある日自分はアルバムのプロデューサーであるRuss Titlemanに電話でレコーディングの進行状況をたずねた。彼は『Higher LoveとThe Finer Thingsはうまくできたよ』と言ったので、Back in the high life againのことをたずねると、少しの沈黙の後、その曲のことはスティーブから知らされていない、と言われた。実際スティーブはまだそれに手をつけてなかったのだ。ところで彼は当時の妻との離婚が進行中であり、彼女が荷物を家からすべてもちだしたので、スティーブが自宅にもどった時にはすでに家の中が空っぽの状態だった。しかしリビングルームの片隅にマンドリンが一つおいてあり、彼はそれを手に取り、すでに歌詞が頭にあったBack in the high life againのメロディーを作ったそうだ。そしてこれは大ヒットしてしかもアルバムのタイトル曲にもなったのだ。自分があのとき尋ねなければ見過ごされていただろうから、この曲は最後の最後になってやっと生き延びることができたわけだ。』

ウィンウッドはこれは自分の心にしみいる曲だと以前から言ってましたが、その背景にはこういうことがあったのですね。この曲は毎回コンサートでやるし、ウィンウッドはこれからも歌い続けることでしょう。このエピソードを知ってから改めてこれを聴くとまた違った感じがしてきました。おしまいにBack in the high life againのプロモ・ビデオをどうぞ。

2008-12-21

ウィンウッド、Music Businessを語る

40数年間音楽活動をしているウィンウッドはそれだけ長くミュージック・ビジネスに関わっていることになります。bankrate.comというビジネス関連のウェブサイトにのった音楽ビジネスに関するインタビュー記事を見つけました。新譜Nine Livesではメジャーレーベルに復帰したわけですが、ウィンウッドにとってレーベルを決めるときにはお金はいつでも重要なファクターでありギャンブルだそうです。長年に渡るミュージックビジネスの変化にも触れていて、もし自分が現在音楽業界にデビューしていたら、ロースパークのようなとても長い曲をレコードで出すことは到底できなかったであろう、と言ってます。その他の活動では、録音と音楽に関して学校へコンサルティング活動をすることもあるし、また自分の農場で栽培したものを時々市場に出すこともある、と言ってます。

2008-12-20

Winwoodがチャリティーイベントに参加

12/13にシカゴで行われたJuvenile Diabetes Research Foundation(若年性糖尿病研究財団)主催のチャリティーイベントに、ウィンウッドは特別ゲストとして参加しました。このイベントの記事によると4人の女性が$13,000(約120万円)払ってウィンウッドとGimme Some Lovin'をステージで歌ったそうです。そこまで大金を払う気合いの入ったファンもいるんですね。記事中の写真では、ギターを弾くスティーブの背後にパーカッションのカールが写ってるから、Dirty Cityも演奏されたのかな?