2008-02-24

ウィンウッドのニューアルバム 『Nine Lives』について

エリック・クラプトンとともに行われるMadison Square Gardenのコンサートを直前に控えてスティーヴ・ウィンウッドのオフィシャルサイトが 大幅にリニューアルしました!!ニューアルバムの9 LivesからDirty CityとFlyの2曲がフルで聞く事ができるし、また前者のビデオもみれます。それにニューシングルのDirty Cityの方はiTunes Store (USA)とamazon.comから購入できます(しかしアメリカに住所がある人しか買えませんが)。自分は発売と同時に買って、それ以来ずっとリピートで聞いてます。オフィシャルサイトでも聞けるので、まだの人はぜひ聞いてみてください!

Dirty City
この曲では、彼のギターがとてもかっこいい。前作ではギターを弾かなかったので、アルバムでのギター演奏となるとJunction 7 以来実に11年ぶりだ!曲はLow Sparkをさらに迫力ある感じにしたような大作である。とどめをさすように曲の後半からEric Claptonのギターソロがフィーチャーされているのもうれしいところだ。聞きこむごとに良さが増していくようで、リピートし始めるとずっと聞き込んで しまう。。。YouTubeのビデオが見れるのもうれしい。演奏風景をみれば、ポール・ブースがオルガンを弾いているが、実際のアルバムでは誰がオルガン を弾いているのだろうか。ウィンウッドがギターとオルガンの両方を弾いているような気がするのだが。このビデオにはイギリスにあるウィンウッドの自宅周辺 ののどかな映像がでてくるが、Dirty Cityのイメージと合わないような気がする。それでもこの映像は見ている分には十分楽しめる。

Fly
この曲も実に素晴らしい。このような雰囲気の曲はいままでのア ルバムにはなかった。メロディーがなめらかに流れて行く。なんとなく80年代のウィンウッドを思い出すが、あの頃の曲ともまた違っている。でも曲を聞けば やっぱりウィンウッドらしい感じがする。ソプラノサックスを吹いてるのはPaul Boothだろうか。

Nine Livesとジャケットに隠された秘密
9 Livesのジャケットもとてもいい。一目見てすぐに気に入ってしまった。だけどウィンウッドがギターを手にしているのには正直びっくりだ。前作同様この アルバムでもオルガンを主に弾いていると思うのだが、ギターの写真を持ってくるとは。。。それからこのアルバムのキーワードは ”9” である。このアルバムは9曲収録だし、またこれはウィンウッドのソロ9作目である。でもジャケをよく見るともう一つ ”9” が隠れています。


ジャケの左下に子供が写ってますが、これは誰だか分かりますか?自分はこの写真見た事があります。2年前にウィンウッドのTVインタビューが 放映されましたが、そのときに出てきました。実はこれはウィンウッドが9歳のときの写真です。当時彼は結婚式場などで父親のバンドの一員としてギターを弾 いていましたが、これが当時の写真です。ギターを弾く9歳のウィンウッド少年と、それからちょうど50年たってギターを手にして微笑んでいる熟年ウィン ウッド。このように考えてみるとなかなか感慨深いものがありますね。

アルバムの発売予定日
オフィシャルサイトやAmazon.comによると、Nine Livesの発売予定日は4/29に延期になってしまったようだ。。。残念だが待つよりほかないか。

About Time から Nine Lives へ
前作 About Time(2003)ではウィンウッドがオルガンしか弾いてないということとギタリスト(ジョゼ・ネト)がいるということに驚いた。それ以前の Winwoodの主要な音楽活動を振り返ってみれば、アルバムとツアーの両方で重要な役割を果たしたギタリストといえば(彼自身を除けば)ブラインド・ フェイス時代(1969)のエリック・クラプトンぐらいしか思い浮かばない。専属のギタリストがいるということはそれぐらい珍しい事なのだ。ご存知のよう にAbout Timeではオルガントリオ(オルガン/ギター/ドラム)が中心である。アルバムのジャケを開けば、ウィンウッドはもちろん、ギターのジョゼとドラムの ウォルフレッド・レイエス・Jrの写真が飛び込んでくる。ウィンウッドのソロアルバムなのに、バンドのメンバーの写真を自分と対等に載せてあるのは珍しい のではないか。まさにトリオ中心なのを象徴していよう。このアルバムではワールドミュージックにハモンドオルガンを持ち込み、ロックと融合させて彼独自の音楽を作り出した。それが名作About Timeだった。

それから5年が経って4月にNine Livesが発表になるわけであるが、多少の例外を除きウィンウッドがオルガンを弾き、スタジオの一発録音を基本としているスタイルは変わっていないだろ うと思う。2006、2007年のツアーのバンドが今回の録音に携わったので、前作の『トリオ中心』とは異なりウィンウッドを含めた5人で作りあげたアル バムという要素が強いのではないかと想像する。上の2曲を聴く限り、About Timeとは似てるようで全く異なるアルバムのような気がしてくる。4月の新作リリースが大変に待ち遠しい。