2007-06-23

大自然の中での迫力満点ライブ - Aspen, CO (2007/06/23)


Steve Winwood Live at Jazz Aspen Snowmass (Aspen, CO)

セットリスト:
 1. Empty Pages (7分)
 2. Bully (6分)
 3. Can't find my way home (6分)
 4. Medicated Goo (6分)
 5. Light up or leave me alone (12分)
 6. Higher Love (7分)
 7. Back in the high life (9分)
 8. Dear Mr. Fantasy (10分)
 9. Low Spark of high heeled boys(17分)
10. Crossroads (7分)
アンコール
11. Why Can't We Live Together (7分)
12. Gimme Some Lovin' (7分)

Steve Winwood Vo (all), org(1,2,(3),5,6,9-12), mand(7), g(3,4,8)
Jose Neto g (All except 8)
Paul Booth ts(1,2,5,6,9,10,12), FL(8), BVo(5-7), org(3,4,7-8), perc(5,9)
Kar Vanden Bossche Perc (All except 8), BVo (6)
Richard Bailey Dr

大自然に囲まれた町、アスペンへ 

以前からぜひ一度は訪れてみたかったコロラド州のアスペン!今年のライブ第一弾はここに決めた。 アスペンは言うまでもなく冬はスキー、夏は避暑地として有名な場所だ。山あり谷ありで景色もすばらしい。 この時期は山頂付近に雪もまだ残っていて、雪解け水からなる小川や小さな滝、それに湖もたくさんある。 アスペンにいればそんなに遠出をしなくても町中いたるところにそういうところにお目にかかれる。まさに大自然に囲まれた町だ。 ライブをするのにここ以上に環境のいい町もそうないだろう。


今年の全米ツアーはいかに?

名盤About Timeがリリースされてからはや4年。今年こそはニューアルバムが期待されているウィンウッドであるが、 今年の春に行われたヨーロッパツアーでは新曲のお披露目はなく去年とほぼ同じようなセットリストだった。さて今年の全米ツアーではどうであろうか? ちなみに今年のツアーのラインアップは去年の全米ツアーの時と同じである。近年では最強のメンツだと思っているのでとても期待できそうだ。

アスペン入り

当日車でアスペン入りするために最後82番のハイウェイを通ったのだがこの道はインディペンデンス・パスと呼ばれる標高3687mのところを通過する。 富士山と同じくらいの標高である!ガードレールがないところもあったので気をつけて運転したが、いたるところに絶景があったので、しばし車を止めて景色を堪能する。

  Highway #82(インディペンデンス・パス)からの眺め


アスペンには昼過ぎに着いてすぐに観光案内所に行き、この町の情報を入手した。 ウィンウッドのライブが行われるJazz Aspen Snowmassの会場がそのすぐ近くだということに気がついたので、まずそこへ下見に向かうことにした


Jazz Aspen Snowmassのライブ会場

リハーサルを聞きながら昼寝!

アスペンは標高が高いだけあって気候は涼しい。 フェスティヴァルの会場があるRio Grande Parkには大きな白いテントがあり、どうやらその中でライブをするようだ。 テントの周りは柵で囲まれていたのでその周りを散策してみた。きれいな小川が会場のすぐ隣を流れていて、 子供たちが水遊びをしていたり犬の散歩やサイクリングをして週末の午後のひとときを楽しんでいる人々がいた。 さすがにアスペンではいたるところに自然が残っている。


ライブ会場の隣にもきれいな小川が

そこで小川のせせらぎに耳をすましていると、背後から何やら聞き覚えのある音楽が流れてくることに気がついた。ん?あれはCan't Find My Way Homeじゃないか! なんとウィンウッドがリハーサルをしていたのだ。テントからもれてくる音なので、それほどはっきり聞こえないが、それでも実に得した気分だ。 午後は市内観光をしようと思っていたのだが、それはやめにしてそこにごろりと横になって休憩することにした。 リハーサルとは言えどもウィンウッドの生演奏を聞きながらの昼寝である!なんと贅沢なことか。。。でも午前中はずっと運転をしていて疲れたのでちょうど良かった。 ウィンウッドはその後Back in the high life、Medicated Goo、Dear Mr. Fantasy、Bullyを演奏。 ファンタジーではかなり適当に歌っていたが、ボーカルががファンキーでなかなか面白かった。 フェスティバルのスタッフらしき人もときどき会場の外に出てきて休憩をしている。そうするにはもってこいの場所が多い。 スティーヴも出てこないかとずっと待っていたが、残念ながら遭遇できずあきらめて会場を後にした。

会場入り

その後ホテルへ行きチェックインなどをして、夜8時に会場に戻った。テントは思ったより大きく、3000人は収容できそうだ。 芝生の上にパイプいすをずらりとならべてある。自分の席は17列目のオルガンのほぼ正面。会場は満員だ。 アナウンサーの紹介のあとウィンウッドがステージに登場。髪は短めで、珍しくジャケットを着ている。 ありがたいことにステージの両脇に大型スクリーンがあったので、細かい表情なども分かった。 オルガンの真上にもカメラがあったので、スティーブが弾いている様子もよく分かった。

いよいよウィンウッド・ライブ!
9時過ぎに待望のライブが開始。注目の1曲目はEmpty Pages。 だがアンプのスイッチが入ってないのか、楽器の音量が全然出ていないし、ボーカルはまったく聞こえない。 スタッフがステージを走り回り、やっとスイッチが入って一安心。 でもこの曲が途中までインストバージョンになってしまったが。自分の席では音もかなりよく聞こえるので満足だ。観客も最初からかなり熱狂的だ。 一曲目が終わってスティーブのMCが始まる。アスペンの自然は素晴らしいと言っていた。2曲目のBully はとても迫力があってびっくりした。ドラムがとても好調だし、オルガンベースの音もずしんと響いてくる。 そういえば去年自分が行ったライブではこの曲をやらなかったので、このメンバーでの演奏を聞くのはこれが初めてだ。次はCan't Find My Way Home。 ブラインド・フェイスの曲だ。去年と同じく出だしはスティーブがオルガンを弾き、ポール・ブースが後を引き継ぐ連係プレーがみられたが、 去年とは比較にならないほどスムーズになっている。でもこの曲で一番うれしかったのは、ジョゼがスティーブとともにギターを弾いたことだ! 去年までは彼抜きでの演奏だったのでびっくりだ。 クラプトンと一緒にやった5月のハイクレア城でのコンサートで、スティーブは黒のテレキャスを弾いていたが、今回は去年の全米ツアーのときと同じ茶色っぽいテレキャスだった。ジョゼは出だしからアルペジオを弾いている。 スティーブのボーカルの高い音も難なくでているし、バックの演奏もとてもいい。この曲を聴いているとじつに幸せな気分になってくる。 スティーブが水色のストラトに持ち替えて、今度はMedicated Gooだ。 スティーブのギターソロはあいかわらずいい。ジョゼはギターでベースのパートを主に弾いている

観客が熱狂的

今日のライブでは前半からとても盛り上がっていた。とくにLight Up or Leave Me Alone での盛り上がりはすごく、立ち上がって踊っているひとも多かった。スティーブのオルガンとベースはもちろんリズムセクションも素晴らしく、とてもノリノリの演奏だった。 ポールのサックスソロも快調だし、ジョゼのギターソロもLow Sparkでのソロのように激しい。 それに引き続き、次のHigher Love でも非常に盛り上がっていた。その次のBack in the high life では幾分スローなテンポなので会場も少し落ち着く。ポールがサビでバックボーカルをしていた。 おまけに曲の後半のフェードアウトでも彼がバックボーカルをしていたのが新鮮だった。Dear Mr. Fantasy ではジョゼとパーカッションのカールが抜けて3人での演奏。迫力満点の熱い演奏だった。会場の盛り上がりもすごかった。 今日はウィンウッドのライブにしてはめずらしく照明が効果的だった。ファンタジーの出だしではスティーブだけにライトが当たっていて、とてもかっこいい。Low spark of high heeled boys の演奏は長くて20数分にも及ぶのだが、今回はやや短めのバージョン。スティーブのオルガンソロはなく、ソロはサックスとギターだけだった。 ポールのサックスソロはジャズっぽくて原曲の雰囲気が出ている。 今回のジョゼのギターソロは2004年と2005年のライブで披露していた稲妻のごとく凄まじいバージョンだった。久々にこれを観れてうれしい。 もちろん観客も最高に盛り上がる。最後はクラプトンでおなじみのCrossroadsだ。 5月のハイクレア城でのライブでもやった曲でそのときのバージョンとほぼ同じ。

いよいよアンコール

アンコールの1曲目はWhy can't we live together。サックスのポールが抜けて4人での演奏。熱狂的な観客もここではスティーブの素晴らしい歌声にじっくり耳を傾ける。 もちろん最後はGimme some lovin'でしめくくる。"ヘイ!"のかけ声にあわせてステージ上部のライトが光り、観客席を照らす。 今日はやや短めのセットリストであったが、充分満足のいくライブだった。自分の席は少し後ろのほうだったが、音もとても良かった。 最後は皆立ち上がって拍手を送っている。今日のライブは最初から最後までずっと盛り上がっていた。おそらく熱狂的な観客が多数集まっていたのだろう。 翌日のAspen Timesの記事にウィンウッドのライブ評がでていたが、ディレクターのコメントによると、 ウィンウッドのライブほどスタンディング・オベーションが長かったのはJazz Aspen Snowmassの歴史が始まって以来だそうだ! そのようなライブを観ることができて、自分も非常にうれしい。

今日のライブを総括すると

アレンジ自体は去年とほぼかわらない曲が多かったが、去年から一緒にやっているメンツなので、とても息の合ったいい演奏だったと思う。 スティーブのボーカル、オルガンはもちろんネトのギター、ポールのサックス、それにパーカッション、ドラムも絶好調だった。 去年も思ったがこのメンバーはAbout Timeのツアーでは最強だと思う。 それから会場の大型スクリーンに映されたオルガンの真上からの映像をチェックしてみたが、どうやらスティーブはオルガンのベースを左手と左足で同時に弾くこともけっこうあるようだ。 あとで調べてみたのだが、これはオルガンベースの奏法としてはよくある弾き方のようだ。 今日のライブでは写真は禁止だったのが残念だったが、そのかわりセットリストとスティーブのギターピックをおみやげにもらいました! アスペンのような素晴らしい場所でライブを堪能することができてラッキーでした。

ツアーは始まったばかりなので、スティーブの旅はまだまだ続く。自分も同じく。。。

アスペンの観光名所、Maroon Bells

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