2006-10-10

ツアーはミニでもライブは豪華。2年越しのライブがついに実現!- Norfolk, VA (2006/10/10)

Steve Winwood Live at NorVa (Norfolk, VA)

セットリスト:
 1. Different Light (10分)
 2. Empty Pages (8分)
 3. Cigano (9分)
 4. Can't Find My Way Home (5分)
 5. Medicated Goo (7分)
 6. Who knows what tomorrow may bring (11分)
 7. Light Up Or Leave Me Alone (13分)
休憩 (20分)
 8. Leave a Fax or Send a Message(14分)
 9. Higher Love (7分)
10. Back In the High Life (11分)
11. Dear Mr. Fantasy (10分)
12. Low Spark Of High Heeled Boys (25分)
13. Crossroads (9分)
 アンコール
14. Why Can't We Live Together (6分)
15. Gimme Some Lovin' (8分)

Steve Winwood Vo (all except 8), org(1-3, (4),6-9,12-15), mand(10), g(4,5,11)
Jose Neto g (All except 4,11)
Paul Booth ts(1,2,6-9,12-15), FL(8), BVo(6,7,9,10), org(4,5,10,11), perc(1,12)
Kar Vanden Bossche Perc (All except 11), BVo (6)
Richard Bailey Dr (all)

次はノーフォーク 

3日前にニュージャージー州のレッド・バンクでライブを観たばかりだが、次はバージニア州ノーフォークへ行く。 前回とはうってかわってこちらは自宅から近いところにある。まあ一時間もあれば行ける場所だ。 こんなに近いなんてかえって気が抜けそうなぐらいだ。でも移動の苦労がないのは本当にありがたい。今回は苦労とは無縁のはずだと信じたい。


2年前に予定されていたライブ

実はこのライブは2年前の5月7日に予定されていた。しかしその2日前のアッシュビル・ライブの日に起きた不幸な出来事(詳しくはアッシュビルのレポを参照)のため、The NorVaで行われる予定だったノーフォーク・ライブは実現しなかったのだ。 後になってこれはキャンセルではなく、「延期」だと知ったのでそれがいつ実現するのかずっと気にかけていた。 それ以来ウィンウッドのツアーの日程が発表されるごとにノーフォークがあるかどうかまずチェックしたものだが、毎回見当たらず、もうスティーブはとうに忘れているのかなと思い始めていたところだった。 従って、今回のミニツアーの日程にノーフォークを見つけた時は、ああやっぱりスティーブは覚えてくれてたんだな、ととてもうれしくなった。 同じように心待ちにしていたファンもきっと多くいることだろう。

楽に現地入り

当日の夕方ノーフォークへ出発する。思った通り現地まで1時間しかかからなかった。素晴らしすぎる!! レッド・バンクに行った時の10分の1の時間じゃないか。おまけによく考えればこれは今までの最短記録だ! この広いアメリカで最短記録を更新できたとはちょっとびっくりだ。 それにしても前回のレッドバンクで最長記録、そして今回は最短記録の更新とは。。。 会場のThe NorVaはノーフォークにある巨大なショッピング・モールのマッカーサー・センターの真向かいにある。

ライブ会場のThe NorVa

立地条件がいいので、買い物に来た一般客もそこで誰がライブをするのかすぐに分かるのは好都合だろう。 The NorVaは1500人収容の小ホールで、ほぼ全席立ち見だ。 今までは小ホールのときは必ず最前列を目指したものだが、去年ボルティモアの時に最前列での音がひどすぎたので、今回は違う作戦をたてた。

いよいよ入場

時間に余裕はあったが、場所取りをするために手早く夕食をすませて会場の入り口に並ぶ。そして入場すると予定通り2階へまっしぐら。 その時知ったのだが、すでにVIPチケットなるものを持った人たちが入場していたので、そもそも最前列など無理な話だった。 自分は2階の後ろの方に陣取る。立ち見だが手すりに寄りかかることができるので割と楽だ。 それに遮るものがないのでステージがよく見える。 2階とは言っても会場が小さいので、自分のところからステージまでわずか15mほどだ。 いつもは前の方に陣取るのだが、たまには違った場所でもいいだろう。 観客の年齢層は3日前のレッド・バンクの時より少し若めだと思う。会場はほぼ満員だ。 開始予定時刻の8時になってもライブが始まらないので、観客がだんだん騒がしくなり始めた。 わめいたり口笛をふいたりしてなんとかライブの始まりを催促している。 8:15になってようやくメンバーがステージに登場した。いよいよ2年越しのライブのスタートである。


ライブが始まる

注目の1曲目はDifferent Light。 いつもと同じくジョゼ・ネトのギターとカール・ヴァンダン・ボッシュのパーカッション(この曲では主にタンバリンとコンガ)がいい感じだ。 でもオルガンとギターの音量がやや小さいか。やはり後ろの方だと音はとてもいい。それにスティーブの上半身が見えることに感激する。 いつも前の方で観たときはスティーブの首から上ぐらいしか見えなかったのだ。おまけにスティーブが両手を動かしてオルガンを弾いている様子もよく見える。 う~ん、いい眺めだ!それに左足でベースペダルを弾いている様子もよく分かる

Different Light

その次のEmpty Pagesではボーカルに伸びがある。 素晴らしく声が良くでているのがわかる。それにドラムもとても快調だ! この曲はライブでほぼ毎回聴いたけれど、各奏者の演奏がうまくかみ合っていて、これが今までで一番いい演奏のような気がした。 Empty Pagesの終了後サックスのポール・ブースが抜けたので、ひょっとして、、、と思ったらやっぱり次はCiganoだった。 この曲もDifferent Lightと同じくAbout Timeからの曲だが、これは元はジョゼのアルバムに収めてあったインスト曲だ。 スティーブはこの曲のベースパートを前半は左手で、後半になると足で弾く。 そしてジョゼのギターソロのあたりから左足が右に左に飛ぶように動く(アルバムでも似たようなことをやっているはず)のが隠れた見せ場であり、また自分のお気に入りのシーンだったが、今回はそれがなくなっていてかなりおだやかな動きになっていた。 期待していたのにちょっと残念。ジョゼのギターソロは音量がやや小さめだったが、元は彼の曲だということもありお手のものだ。

スティーブのボーカルに感動する

それが終わって今度はCan't Find My Way Home。 ブラインド・フェイス時代の曲だ。3日前のレッド・バンクのときと同じく、出だしはスティーブがオルガンを弾き、すぐにポールが後を引き継ぐ連携プレーが見られた。 前回はボーカルの高い音を少し無理をして出しているようだったが、今日はそんなことは全然感じられない。 高い音もちゃんと無理なく出ているし、それに音量もある。今日は声の調子がとてもいいみたいだ!去年までとは違うギターもとても目立つ。

Can't Find My Way Home

その次はギターを水色のストラトに替えてMedicated Gooを演奏する。 今日の演奏ではポールのオルガンとジョゼのギタ-でベースパートをユニゾンで弾いていた。前回に引き続き、この曲を聴けてよかった。 その後、スティーブがオルガンに戻り、Who Knows What Tomorrow May Bringを演奏する。 サックスとギターがソロをとる。ドラムはとても歯切れが良く、曲をよく盛り上げている。この曲は前回やらなかったので聴けてよかった。 パーカッションのカールが曲の途中でステージ中央に出て来てポールと一緒にバックボーカルをし始めた。去年のアトランティック・シティーでも同じことをしていた。 この曲のように少しスローなテンポだとスティーブのボーカルの良さがことさら目立つ。

  Who Knows What Tomorrow May Bring

自分のとなりに親子連れがいたのだが、母親の方からギタリストは誰だと聞かれたので、ジョゼのことを少し説明する。 なんと彼女はトラフィックのころに熱烈なファンだったそうで、ブラインド・フェイスのライブも観に行ったそうだ。 近年のウィンウッドはあまり知らないようだったが、ジョゼの演奏が気に入ったということなのでAbout Timeを勧めておいた。

スティーブの足技も絶好調

前半の終わりはもちろんLight Up or Leave Me Alone。 前半はスティーブのオルガンソロがあり、その後サックス、ギター、パーカッション、ドラムとソロがまわる。 前回同様途中の"light up"のかけ声のあたりから、オルガンのベースが同じパターンの繰り返しでずっと続いていく。実に安定していていい雰囲気を作っている。 前回のライブを見たとき、この部分をどうやって弾いているのか分からなかったのだが、今日注意深くみたところスティーブはこれを足でずっと弾いている! 左手で弾いているのかと思ったのだが、足をひっきりなしに動かしているじゃないか。しかも数分間に渡って。これには本当にびっくりだ。 それにドラムもとても歯切れがいい。前回はあまりドラムに注意が行かなかったけど、今日改めて聴くとこのドラマーはやっぱりすごくうまい!曲のラストも決まったいた。

後半が始まる

20分の休憩の後、後半はLeave A FAX or Send A Messageで幕開けだ。 この曲をやるとはちょっと意外だった。これはギターのジョゼ・ネトのインストの曲である。 サックスでのテーマに続いて、ソロがオルガン、フルート、パーカッションとまわり、最後はドラムの素晴らしいソロで締めくくる。 ここから先はベストヒット集だ。まず初めはHigher Love。 今までこの曲はライブで何度も聴いているが、不思議なことにすごく感動したことはあまりなかった。 おそらくアルバムのバージョンが頭にこびりついているせいもあるだろう。でも今日のこの演奏はどうだ。ボーカルも伸びがあって実に素晴らしい。 バックのリズムセクションも快調だ。この演奏は今までライブで聴いたなかで間違いなく一番だろう。 今日のスティーブはいつもよりずっと声の調子がいいようだ。それともバックの演奏にのせられているのか。サックスやギターのソロもかっこいい。 サックスのポール・ブースは彼のHPの記述から推測するとおそらくまだ29歳ぐらいだと思う。 この曲が大ヒットしたのは今からちょうど20年前だから、当時彼はまだ10歳未満だったであろう。 多分リアルタイムではこの曲を聴いていないと思われるミュージシャンが現在スティーブのバンドですばらしい演奏をしているというのも時代を感じさせる。 この曲が終わるとスティーブはマンドリンを手にしてBack In the High Lifeの演奏だ。 去年とほぼ同じアレンジなので、正直ちょっと見飽きた感じがある。 イントロは例によってスティーブのマンドリン、ジョゼのギター、そしてカールのトライアングルがステージの中央付近に集まっての演奏だ。 会場の皆でコーラスをするのもいつものことだ。

  Back in the High Life

Dear Mr. Fantasy

その次はご存知トラフィックの代表曲のDear Mr. Fantasy。 ギター、オルガン、ドラムの3人のみでの演奏だ。この曲でオルガンは去年ほど目立ってないがやはりこのくらいがちょうどいいか。 スティーブをサポートするのはともに今年加入したリチャード・ベイリーとポール・ブースである。


  Dear Mr. Fantasy

前回同様ドラムはすごい迫力だ。曲が終わると拍手がなりやまず、次の曲がなかなか始められない。 2年越しのライブということもあって、聴衆も熱狂しているのだろうか。 その次のとどめとも言うべき曲はLow Spark of High Heeled Boysだ。 去年までよりイントロが長めだと思う。毎回この曲は非常に長いのだが、今日も約25分だった。 各奏者が持ち味を十分に出して、ソロの時間もたっぷりとってある。 長いけど聴いてて飽きが来ないのはおそらく最後にジョゼの素晴らしいギターソロがあるからだろう。 ロースパークの演奏後、メンバーがステージから立ち去らない。変だなと思ったが実はもう一曲あった!なんとラストはCrossroadsだ。 これにはかなりびっくり。スティーブ以外の曲をラストに持って来るとはかなり珍しい。 それともこれは今月同じくアメリカ東海岸をツアー中のクラプトンに対する挑戦状なのか。ちなみに彼は今日ワシントンDCでライブだ。 ライブ後に聞いたのだが、ウィンウッドとクラプトンのどちらを観に行くか悩んだというファンもいた。ウィンウッドはこの曲を少しゆったりめのテンポで演奏する。

アンコール

アンコールの1曲目はWhy Can't We Live Together。 アルバムAbout Timeに収録のティミー・トーマスの曲だ。前回に引き続きこの曲を聴けてうれしかった。 スティーブは一語一語じっくり歌っている感じだ。スティーブのボーカルはどうしようもないほどうまく、説得力を持ってせまってくる。 最後はもちろんGimme Some Lovin'。 オルガンの音も後半は良く出るようになった。実に心地よく響いている。もうこれで今年ウィンウッドを見るのは最後だろう。 なるべく目にその姿を焼き付けるようにした。後ろで見ていると会場全体がどういう風に盛り上がっているか分かってなかなか面白い。 今日は最初から最後まで最高の演奏をしただけあって、盛り上がりがすごい。

  Gimme Some Lovin' (ライブ終了の瞬間)

最前列付近の観客はさすがにクレイジーになっている。以前のライブで自分が最前列だった時もあんな感じだったのだろうか。。。 スティーブのボーカルはのびがあり、まったく衰えることがなかった。

ライブを終えて

今日のライブは今まで自分が観た中でも間違いなくトップ3に入るだろう。2階で観たのは初めてだったが眺めもいいし、音もいい。後ろの方で観るのもなかかいいね。

  ライブ終了後のあいさつ。今年も感動をありがとう!

ライブ後のスティーブとのご対面の時間はあっと言う間に終わってしまった。 前回同様LPのジャケットを持ってきたファンが多かったが、トラフィック等のジャケットを十数枚持ってきて全部にサインしてくれとお願いしたファンが一人いた。(自分にはそんなまね絶対にできませんね。まわりの人もびっくりしてましたが。) でも彼がAbout Timeのことを知りもしないことが分かってスティーブの機嫌が悪くなったようだった。 その後すぐにバスに乗り込んでしまい、ずっと待っていたのにサインをしてもらえなかったファンもいた。 今回のツアーはミニだったが、今日観たライブは音良し、ボーカル良し、演奏良し、見ごたえあり、盛り上がりも最高だったので、思ったよりもずっと豪華なライブだった。 それに移動の苦労もナシ。今日はめずらしくハプニングも起きなかったので、逆にこれらはうれしいハプニングとでも言うべきか。

スティーブはまるで年をとるごとにパワフルになっていくような気がするのは気のせいだろうか。 結局他の会場でも似たようなセットリストで、新曲等のお披露目はなかったようだ。 今回の短いツアーは、毎年なんらかの音楽活動をしますよ、という意思表示なのだろうか。 次回のツアーのときにはぜひニューアルバムをひっさげて来てほしいものだ。それから次もぜひ同じメンバーでライブをしてほしいと思う。 最後に今年も感動をありがとう!!

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