チケット争奪戦を辛くも勝ち抜く
今年の3月に、エリック・クラプトン主催のクロスロード・ギター・フェスティヴァルの開催(7/28)が発表された。このコンサートの目玉の一つはクラプトンとウィンウッドによるブラインド・フェイスの曲の演奏だ。クラプトンはインタビューで『俺たち(クラプトンとウィンウッド)にはまだやり終えていないことがある』と言っていたぐらいだから、かなり期待できそうだ。これはなんとしても行かねばならない!バリーさんに頼まれたので、チケットは2枚まとめて買うことにした。3/31の朝の発売開始とともにウェブサイトでチケの購入を試みたが、出てきたのは後ろの方の席。。。何かの間違いかとも思ったが、仕方なくそれを買うことに。その後すぐにイギリスのバリーさんに電話をする。「チケットはとれましたが、席は後ろの方です。どうもスミマセ~ン」と言うのをさえぎるように「いや~~良かった良かった。どうもありがとう!席の場所なんて大した問題じゃないよ。観に行かれるんだからいいじゃないか!」との優しいお言葉。さすがは世界一のファンである。でもやはり気になっていたので、電話を切ってから再度サイトにアクセスすると、なんか表示が変わってることに気づく。え、もう売り切れなの??なんと自分のチケット購入直後、発売開始からわずか15分で売り切れたとは恐るべしチケット争奪戦。席が後ろなどと不平を言う余裕はないのである。
いざシカゴへ!
会場へ向かう
時間に余裕を持ってホテルを出発したのだが、駅から会場へ向かうバスがなかなか来なかったので、コンサート開始30分前にやっと目的地に到着した。会場のToyota Parkはサッカー専用スタジアムである。長時間のライブなので指定席を選んで正解だった。大きなスタジアムなので、ステージ上の人が豆粒のようにしか見えないが仕方がない。この会場では小さなカメラの持ち込みが許可されていたが、さすがに遠くからきれいな写真をとるのは難しい。
会場のToyota Park
ついにコンサートの幕開け!
ついにバリーさんが合流!
ウィンウッドファン3人が集う
Jeff Beckのステージになったところでウィンウッドファンのジェイミーさんもスタジアムの向かい側の席からこちらにやってきて3人で一緒にライブを観ることになった。英、米、日本からのウィンウッド・ファンの集結である。生まれ育った環境は違っても皆それぞれの思いがあってこのスタジアムに足を運んでいる。同じファンの人たちとウィンウッドについていろいろ話していると実に楽しいものだ。いよいよ主催者であるクラプトンのライブの始まりだ。彼のステージをみるのもこれが初めてなのだが、やはり生でみるととても格好いい。もうすでに日が沈みかけているところだ。ギターはDerek TrucksとDoyleBramhall IIを加えた3人。ツイン・ドラムも迫力がある。クラプトンのセットの最中に、ステージの一番左端のライトがあたっていない場所にスティーブのオルガンらしきものがおいてあるのを発見。ギターフェスティバルへの出演であっても、やはりウィンウッドがコンサートでオルガンを弾かないとは考えにくいだろう。
いよいよウィンウッドとクラプトンの共演がスタート
(注:25年間ということは、1983年のArmsのコンサートでの両者の共演以来ということを意味しているのだろう。)
1. Pearly Queen
1曲目はなんとトラフィックのPearly Queenだ。これは意外な感じがしたが、まあ納得がいく。ウィンウッドはこの曲の演奏でトラフィック時代にはギターを、ソロのライブではオルガンを弾いていたから、今回はもう一人の主役であるクラプトンにギターを任せたわけだ。実際オルガンとギターが曲の出だしからうなりをあげてすごい迫力だ。こんなにかっこいいPearly Queenを聞くのは初めてだ!クラプトンバンドのギター3人が加わるとこうも違うのか。ボーカルはもちろんウィンウッドである。ちなみに解散一年前の1973年に、トラフィックのメンバーがエリック・クラプトンのレインボー・コンサートに参加したが、そのときにもこの曲が演奏されている(ウィンウッドはオルガン)。したがって両者がこの曲をやるのはそのとき以来だろう。
2. Presence of the Lord
3. Can't find my way home
ウィンウッドはステージの左端からステージ中央に移り黒のテレキャスを取り出す。次はもちろんCan't find my way homeだ。ウィンウッドのソロライブでは4人での演奏だが、今回は大勢のクラプトンバンドのメンツとともにとてもにぎやかな演奏になっている。バックボーカルが加わっているのが意外に思ったが、よくなじんでいて違和感はない。クラプトンもバックボーカルをしていたのが新鮮に感じる。ブラインドフェイス時代と同じDbのキーだが、スティーヴのボーカルも高い声がよく出ている。4. Had to cry today
次は水色のストラトに替えてブラインド・フェイスのHad to cry todayだ。ウィンウッドはハイドパークでのライブではキーボードを弾いていたが、今回はアルバムでの演奏と同じくクラプトンと共にギターを弾く。ツインドラムがとても迫力がある。後半のクラプトンとウィンウッドのギターバトルが最大の見ものだ。とても力強い演奏である。ウィンウッドはこの曲も今年からソロライブでやりだしたので、声もよく出ている。5. Dear Mr. Fantasy
クラプトンバンドのギタリスト3人がそろってステージから去り、ウィンウッド一人がステージ中央に立つ。スティーブのギターと言えばやはりDear Mr.Fantasyだ。今日演奏した7曲中、これば一番弾き込んでいるだけあって、ここでのボーカルとギターはいつも通りの素晴らしい演奏だ。ウィンウッドのソロライブでは3人(g,dr,org)での演奏だが、今回は大勢でとてもにぎやかだ。バックボーカルも入っているのが印象的だ。トラフィックのアルバムのバージョンを思い出す。ここでのウィンウッドのギターはとくにすごい。さすがのギターの神様もステージの袖で見るよりほかない。一般的にはキーボード奏者としての方が有名なウィンウッドの素晴らしいギター演奏を目の当たりにして、観客の盛り上がりもすごかった。6. Cocaine
ファンタジーが終わった後どうするのかと注目していたら、ウィンウッドはギターを持ったままステージに残る。クラプトンバンドのギタリスト3人もステージに戻り、一緒にコカインの演奏だ。ギタリスト4人が次々にソロを披露するのも実に見ごたえがある。スティーヴのソロも他にひけをとらない見事なものだ。7. Crossroads
11時間のコンサートを見終えて
それにしてもこの両者が7曲もやってくれるとは思わなかった。ブラインド・フェイスの曲も3曲やってくれて、感激しました。ここまで足を運んでこの歴史的なステージを観る事ができて本当によかったと思う。またウィンウッドやクラプトンだけでなく、どのミュージシャンのステージもハイレベルだったとのはうれしかった。かなり入念にリハーサルをしたのだろう。後日出たこのコンサートのレビュー記事にはウィンウッドに対する好意的な評がのっていた。キーボード奏者として知られているウィンウッドがファンタジーであんなに素晴らしいギター演奏をみせるとは驚きだと書いてあった記事もあった。これからもこの両者の共演を観てみたいものだ。
イギリスからはるばる駆けつけたバリーさんと。
『クラプトンに少し似てませんか?』『時々そう言われるね』
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