2004-05-05

6年ぶりのウィンウッドライブ。最前列で大いに盛り上がる - Asheville (2004/05/05)

Steve Winwood Live at The Orange Peel (Asheville, NC)

セットリスト
1.Can't Find My Way Home (5分)
2.I'm a Man (5分)
3.Different Light (10分)
4.Glad (9分) ~ Freedom Rider (5分)
5.Cigano (9分)
6.Crossroads (7分)
7.Empty Pages (9分)
[休憩 (20分)]
8.Leave a FAX or Send a Message (10分)
9.Pearly Queen (7分)
10.Bully (8分)
11.Who knows What Tomorrow May Bring (10分)
12.Back in the High Life (9分)
13.Dear Mr. Fantasy (8分)
14.Low Spark of High-Heeled Boys (20分)
[アンコール]
15.Why Can't We Live Together (8分)
16.Gimme Some Lovin' (7分)

[Ashevilleへ]
最新作About Timeをひっさげ絶好調の スティーブ・ウィンウッドのライブを見にいきました。 彼のライブは、アトランタで1998年に見て以来実に6年ぶりです。 今回の場所はノースカロライナ州西部のアッシュビルにあるオレンジ・ピール です。ここは収容人数1000人に満たない小さなホール(バスケットボールのコート程度の大きさ)で、しかも全席立ち見でした。 当日は車で3時間半かけて、会場には開演の2時間前に着きました。 早めに会場についたおかげで最前列しかもオルガンの目の前という絶好の ポジションをゲットすることができました。 チケットをライブの数日前に購入したことを思うとこれはまさに奇跡です! 会場に入ってからは前座もなく、開演までの間ずっと暇でしたが、 Davidという追っかけのファンの人とウィンウッドの話題でずっと盛り上がっていました。 彼は去年から全米各地で数回ウィンウッドのライブを見ている、というから驚きです。 しかも、彼は私のいる町から1時間ほどのところに住んでいることを知ってびっくりしました。

[ライブ会場のOrange Peel]

[ライブが始まる]
開演時間の20:30ちょうどに パーカッションのCafeとドラムのWalfredo Reyes Jr. (Wally)がステージに現れた。 そして、なんと見なれないオジサンがオルガンの前に座った。。。 オイオイ、僕はSteveを見るためにわざわざオルガンの前に陣取っているのになんでアンタが そこに座っているのかね? 何が起こっているのか理解できなかったが、 突然その3人のみで演奏が始まった。無表情でなにやら怪しげなメロディーを弾くその男。 そのとき、ステージ中央付近でコンサートスタッフがギターを持って 仁王立ちしているのを発見。 オイ、これはいったいどうなっているんだ! ひょっとしてアンタ、そのギターを弾く気じゃあないだろうね? 変なオジサンがオルガンを弾いて、もしコンサートスタッフまでがギターを弾き始めたら もうオレはステージに上ってわめき散らしていただろう。。。 スティーブはいったいどこにいるのだ、もう演奏は始まっているのに、と思ったその時 ステージ中央奥から一人さっそうと出てくるではありませんか! 「スティーブだ!!」思わず叫んだのはいうまでもありません。 そこで彼はスタッフからギターを受け取り、にこやかな表情でギターを弾き始めた。 それが何の曲であるか最初は全く分からなかったが、それが "Can't Find My Way Home"だと分かった瞬間、会場は絶叫につつまれました。 意外な幕開けとなったが、6年ぶりに見るSteve Winwoodのライブは順調にスタートしました。 サビの部分ではみんなで大合唱。オレも周りの人といっしょに歌い、実にいい気分でした。 1曲目が終わるとスティーブは所定位置のオルガンの前に座った。 そこで、その変なオジサンはステージから去るのかと思いきや、なんと彼は ステージ中央に向かうではありませんか! しかし彼がサックスを手にするのを見て、、、そうか、彼はサックス担当のRandall Bramblett だということに気づきました。でも彼がオルガンまで弾くとは知りませんでした。変なオジサン意外にやるなあ、と思ったのはいうまでもありません。

前半の残りの曲ではスティーブはオルガンを弾きました。 2曲目はI'm a man。 ここでギターのJose Netoが加わりました。 ボーカルが少し聴きにくかったのは多少残念だったが、やはり彼の オルガンは見事だった。スティーブは実にリラックスした様子でした。 続いては最新作About TimeからDifferent Light。 ネトのギターが実に心地よい。この曲は僕のお気に入りで、これを聴くと 心が落ち着くのだ。しかもスティーブが自分の目の前たった3mのところで演奏している。 こういうことが起きようとは想像すらできませんでした。 今回のツアーではスティーブはオルガンとボーカルだけでなく、足でベースペダルも弾くのである。 この足技をみるために、僕はオルガンを斜めからのぞく位置にいたので Steveのみごとな足さばきもたっぷりみることが出来ました。 続いてはトラフィックの代表曲、Glad~Freedom Rider。 Gladは以前からライブでやっていて僕も聴いたことがあったけど、 Freedom Riderはライブで聴くのはこれが初めてだ。 やはりこのバンドはトラフィックを意識してるのかなあ、と思った。 Gladでのスティーブのオルガンソロは見事でした。 Randallは前者ではサックス、後者ではフルートを見事に吹いた。この人のフルートはChris Wood を思いださせます。 前半の残りの曲はCigano, Crossroads, Empty Pages。 Crossroadsをやったのにはちょっと意表をつかれました。Empty Pagesを聴けたのは正直うれしかった。Randallのソプラノサックスもよかったです。今回のライブでRandallが演奏した楽器は フルート、サックス2種類(ソプラノとアルトか?)、オルガン、パーカッションそれにバックボーカル、 とまさに大活躍!! もうこの時点で彼に対する印象が「変なオジサン」から「すごいオジサン」に変わっていたのは 言うまでもありません。

[ライブ後半]
20分の休憩をはさみ、後半の1曲目はRandallのソプラノサックスをフィーチャーしたインストの曲でした。これは今まで聴いたことがありませんでしたが、Netoの曲「Leave a FAX or Send a Message」だと判明しました。この曲の後半にパーカッションとドラムのバトルがあり、それがとても見ごたえありました。その後、Pearly Queen、Bully、Who knows What Tomorrow May Bringと新旧の曲をやり終えた後、スティーブはステージ中央へ行きマンドリンを手に取った。 もちろん曲はBack in the high life. 「すごいオジサン」Randallは当然のようにオルガンを演奏する。サビではもちろん大合唱。スティーブのお気に入りの曲をみなで歌うというのも実にいいものだ。 それがおわると、スティーブはモスグリーンのギターをとり、Dear Mr. Fantasyをトリオで(g, org, dr)演奏した。まさに昔のトラフィックを再現しているかのようで、とても感動しました。聴衆の盛り上がりもすごかった。 しかしスティーブにはさらにすごい曲があるところが素晴らしい! 後半最後の曲Low spark of high heeled boysはなんと20分にも及ぶ熱のこもった演奏でした。この曲後半でのNetoのギターソロは特にすごく、ユニークな音と演奏で圧倒されました。 アンコールはWhy can't we live togetherとおなじみGimme Some Lovin。頼むから終わらないでくれーという感じでしたが、ライブも最後まで盛り上がり、11:20に終了しました。ラッキーなことに、最後Gimme Some Lovin'の演奏直後なんとSteveが僕に握手をしてくれました!! 他の人ももちろん握手をねだったのですが、なぜか僕だけに。いやーほんとにうれしかったですね。 隣のDavidをはじめ、周りの人にもかなりうらやましがられました。今回のライブはまさに感激することばかり。休憩を含めて3時間近くもやったのには驚きました。 結局開場してから4時間以上も立ったままでしたが、ずっとステージに寄りかかることができたためか,それほど疲れたという感じはありませんでした。あまりにもすごい経験をしてしまった今回のライブ、しばらくこの会場で余韻に浸っていたかったが、また長時間ドライブをしなくてはいけないので、やむなく会場を後にした。

[ライブ終了後のOrange Peel]


[ライブを終えて]

帰りの車の中で、何か奇妙なことに気づく。実は今日夕食を食べていないのだ!ライブが始まる前に飲み物を少しとスナックを食べただけ。そのまま運転を続けてもいいかとも思ったが、ここで事故でも起こしたら今日という素晴らしい日が台無しになってしまうと思い、どこかに立ち寄ることにした。といってももう午前0時をとうに回っているので、ガソリンスタンドに寄って軽食を食べた。結局自宅には午前3時過ぎにもどったのですが、しばらく眠れませんでした。日本ではこんなに小さな会場でやるのは考えられないけれど、機会があればまたぜひ行きたいとおもった。 想像を絶するほど楽しむことが出来た今回のライブ。最前列で見て、おまけに握手までしてもらうなどとはいまだに信じられない気持ちです。しかし今回のライブはこれで終わりというわけではなかった。。。ライブ翌日になってとんでもないニュースが飛び込んできたのだ。

[悲報]
ライブ翌日の5/6に、ギターのJose Netoの娘さんが前日の5日にカルフォルニアで自動車事故によりなくなったというメールが届く。そのため、5/6のテネシー州Konxvilleのライブと5/7のヴァージニア州Norfolkでのウィンウッドのライブは当然のようにキャンセルになった。。。僕が行った5日のライブは非常に盛り上がりましたし、バンドのメンバーにも特に変わったところがなかったので、その悲報はおそらくライブ終了後に届いたものと思われます。Joseの演奏も非常によく、彼のギター演奏はとても印象に残りました。とくにLow Sparkのギターソロはすごいのひと言につきます。ネトはライブの間、終止オレの方を向いてギターを弾いていたのだが、オレが最前列で熱狂するたびにうんうんとうなづいてくれるのだった。彼とアイコンタクトをたくさんすることができて非常にうれしかった。演奏を間近で見て本当にすごいと思った。それゆえに、彼の娘さんの事故死のニュースを聞いて非常に複雑な気持ちになった。なぜあれほど楽しめたライブの日にこんな悲しいことがおきてしまったのだろう。いつネトは復帰できるのだろうか。。。実は今回のライブ、Ashevilleの代わりにNorfolkに行こうかとも思ったのだ。両方行くのは無理なのでどちらかひとつ、というわけでAshevilleの方を(何となく)選んだのだ! それを考えると、今回の素晴らしいライブは「偶然」見ることができたと言っていいだろう。機会があればまたぜひ、ウィンウッドのライブを見に行こう。そして、もしネトが復帰していたら精一杯声援を送ろう、と思った。でも過去15年間で計4回しかウィンウッドのライブを見てないのであるから、次はいったい何年先になるのか。。。 考えたくないことが頭にちらつく。しかしながら、その機会は信じられないほど早く来た。この1ヶ月後に彼のライブを再び見ることになるとはこのとき想像すら出来なかった。そのうえ次回のライブが今回以上に感動的なものになるとは。。。

Ashevilleライブの写真のリンク
写真2枚 (会場のThe Orange Peelのサイト)
写真10枚(カメラマンJon Leidel氏のサイト)
写真3枚 (カメラマンDavid Oppenheimer氏)



0 件のコメント: